「恐れ」は最大のストレス

2010年08月10日 10:30


★ 「恐れ」は最大のストレス ★



パスツールの影響で「すべての病気の原因が病原菌である」と信じられていた1930年代に、「心や肉体へのストレスがからだの変調をもたらす」という画期的な「ストレス学説」を唱えたのは、カナダのハンス・セリエ博士でした。

彼は病気の症状をうったえていた患者たちが細菌による感染症ではないことに気づき、彼らに細菌以外の何か別のものが悪影響を与えているのではないかと考えたのです。
それが、今ではだれもが知っている「ストレス」だったのです。



ストレスは、「ボールに圧力がかかって、ひずんだような状態」によくたとえられますが、このとき、ストレス状態を引き起こすストレッサー(要因)というものが考えられます。

ストレッサーには、外的ストレッサー(温度・湿度・騒音・過労・感染・外傷・化学物質などによる環境的な要因)と、内的ストレッサー(恐怖・不安・怒り・悲しみなどの心理的要因)があります。
これらのストレッサーを受けると、ある生体反応が起こります。 


☆たとえば、あなたが異国の地で、コブラ(蛇)に遭遇したとしましょう。


突如猛毒をもつ蛇に出会ったら、たいていの人はギクッとして、頭からサッと血が引いていくのを感じることでしょう。
もしかしたら、「なんでこんなところに毒蛇がいるんだ!」と腹を立て、蛇を睨みつける人がいるかもしれませんが。

蛇は鎌首をもちあげ、いつあなたに飛びかかろうかと、チャンスをねらっているかのように見えます。
これは、あぶない!
あなたが身の危険を感じると、まず戦闘態勢モードにスイッチが入ります。
交感神経が興奮して自分の身の安全を守ろうとするわけですね。

胸がドキドキして、カーッとなるのは、心拍数と血圧が一気に上昇したからです。
こわい!何でこんなところにいるんだ!」と腹を立てると、脳から「アドレナリン」や「ノルアドレナリン」という物質が分泌されます。
 
恐ろしいことに出会うと、「血の気」が引いて顔面が蒼白(そうはく)となり、瞳孔(どうこう)が開き、息がつまったり、膝がガクガクしたり、全身がブルブル震えたりしますが、筋肉を緊張させるものは、「アドレナリン」です。
血管が縮まるので、ヒキツレたり、ケイレンを起こしたりするのです。
緊張がつづくと、コリができたり、カタマリができたりします。


☆「闘争」か「逃走」か……。


生き残るために、どちらの「とうそう」を選ぶかは、あなたの選択の自由です。
闘争」するにしても「逃走」するにしても、それに必要な大量の血液があなたの筋肉に送られます。
あなたの口の中はカラカラに乾き、唾液も出なくなります。

「闘うべきか? 逃げるべきか? それが問題だ」なんて、哲学的なことを考えている余裕はないのですが、恐ろしさのあまり、足はガクガクして一向に行動を起こすことができません。

ああ、どうしよう!
どっちつかずで、強烈なストレスにさらされつづけると、アドレナリンノルアドレナリンが分泌されつづけて血管収縮が起こり、血液不足が生じます。
そうすると筋肉が酸欠を起こし、あなたの顔はヒキツレて、唇がケイレンをし始めます。

あなたの目の前にいる蛇は盛んに首を動かし、突如攻撃態勢に入ったかのように見えました。

とうとうあなたは腰が抜けたかのように、その場にヘナヘナと座りこんでしまいました。
それ以上に「緊張」がつづくと、今度は極度の「弛緩(しかん)」が襲ってくるのです。

弛緩というのは、全身がゆるんで力が抜けてしまう状態です。
まさに脱力無力の状態ですね。
このような状態が、自律神経の働きを乱し、あなたの身体にさまざまな症状を引き起こすことになるのです。

闘争せずに逃走しても、不安で心配で、心臓がドキドキしたりします。
そして、「何で自分がこんな目に合わなければならないんだ!」と不平不満をこぼしたりします。


★さて、このあなたの恐怖の原因は、いったい何なのでしょうか? 

何が、あなたをそのような状態に導いたのだと思いますか? 

あなたがつよい恐怖心を抱いたのは、なにゆえでしょうか? 
 


そうです。
とどのつまりはその毒蛇に襲われて、「死ぬのがこわかったから」ですね。
蛇に噛みつかれるこわさもあるでしょうが、究極的には「死に対する恐怖」です。
死ぬ気になれば、不思議とこわいものはなくなります。




ハート
恐怖心

これがあなたにとって「最大のストレス」であり、
あなたの思いを制限させる「最もネガティブな原因」なのです。

たとえ恐いもの知らずのあなたであっても、
自分のなかにほんとうに恐怖心はないのだろうか? 
あるとすれば、どんな恐怖心が隠れているだろうか? 
と、一度考えてみてくださいね。 






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