貴船神社にまつわる不思議なお話

2010年07月30日 13:20


★ 貴船神社にまつわる不思議なお話 ★



今回は「鉄輪の女主人公のお話」の総まとめとして、能楽「鉄輪」の背景となった貴船神社について少し触れておきたいと思います。


京都に住んでいた頃、わたしはよく鞍馬寺に詣(もう)でることがあり、鞍馬の奥の院からの帰りに貴船神社の奥の宮に何度か立ち寄ったことがありました。

奥の宮に祀(まつ)られている神はクラオカミノカミと、タカオカミノカミと記されています。
オカミは水の神、または雨雪を司る竜神で、タカオカミノカミは山上を司る竜神です。
もとは山の神だった貴船は、平安京以来、都の水源に当たるとして水の神としても尊ばれたのです。

丑の刻参り」というのは、この貴船神社の祭神タカオカミノカミが、国土豊潤のため、丑年丑月丑日丑刻に降臨されたと伝える古事によるものです。
また、人々のあらゆる心願成就に霊験あらたかであることを示すもので、単に「呪い」にのみとどまるものではないのですが、やはりそこには、「神的なもの」と「魔的なもの」が同時に存在しているように感じられました。

その暗く陰湿な空気のなかで、わたしは「鉄輪の物語」を思い起こし、早々に奥の宮から貴船神社の本殿に赴いた記憶があります。

あるとき、貴船神社の本殿で祈ったあと、大きな神木(樹齢四百年の桂)の前にたたずんでいると、不思議な現象が起こりました。
足元にポトンポトンと雨のしずくが落ちてくるのです。
思わず空を見上げましたが、快晴で雨を降らす雲もありません。
不思議に思って石段を少し降りたところに移動すると、またそこでもしずくが落ちてくるのです。
他の場所にしずくの形跡はなく、わたしの立っているところだけが濡れて、いくつものしずくの跡が残っていたのです。

それは、その神木から落ちてきているようでした。
そのしずくが「鉄輪の女主人公」や、彼女によって殺された女と同様、実際に人を呪ったり、呪われたりして不幸になっていった多くの女性たちの悲しみの涙だったと知ったのは、それから随分あとになってからでした。

その重苦しい苦悩と悲哀を味わった女たちの心情を、神木が伝えたかったのでしょうか。
つくづくと考えさせられる深いメッセージであったと、今になって思います。


★ 自分を害する者に向けて、愛の波動を送る ★



★もし、「鉄輪の女主人公」さながらに、だれかがあなたに対して強い否定的な波動を送ってきた場合、あるいは実際に言動で害を与えてきた場合、あなたならどうしますか?

★あなたが相手に対して嫌悪や脅威を感じることなく、愛を持って、常に肯定的な波動を送り続けるのであれば、相手の心はいつしか落ち着き、やわらぎ、あなたに対して誤解をしていたことや、悪意をもったことを反省するようになるでしょう。

自分を害する者に向けて、愛の波動を送ることは、とても難しいかもしれません。
けれども「相手のなかに自分を見ること」ができれば、慈悲のエネルギーを送ることはたやすくなります。
そして、これを成し遂げたなら、自分がよりパワフルになったのを感じられるはずです。



鉄輪の女主人公」のような人が幸福になれる方法や、そのキーワードはたくさんあることでしょう。
この物語を読まれた人によっても、感じ方や考え方、対処法は千差万別であるはずです。
いつも述べている通り、真実はその人の意識レベルによって異なるからです。

★わたしが特に大切な要素と考えてお伝えしたのは「」と「赦し」です。
能楽「鉄輪」をひとつの例え話として、七回にわたってお話をしてきましたが、そこでもたらされた気づきを大切にしていただけましたら、幸いです。



ハート
愛されるために愛するのが人間であり、
愛するために愛するのが天使である。

(アルフォンス・ドゥ・ラマルティーンヌ) 

人間のあいだで広がる感情は恐れであり、
天使たちのあいだで広がる感情は神の愛であるといわれます。
人間から天使の感情になりたいものですね。






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