教育とは―その5 今何をしたらよいかわからないあなたへ ヴィジョン・クエストのススメ

2011年01月22日 20:30



前回「行動家こそ、変化をもたらす人たちである」という記事を書きました。
すると、「僕に決定的に足りないのは、本当に行動力だと思います。光の仕事人さん、どうやれば真の行動はできるでしょうか?」という高校生のインディゴさんからの質問がありました。一部紹介させてくださいね。


僕は「旅をしよう」と思っても、「やっぱ高校生だし無理か」とか「道具もないし、金もないしな~」なんていう考えが現れ「じゃあ、またいずれ」と思って結局行動できずじまいで終わってしまうのです。
でも結局それも、僕自身の甘えもありますが、「高校生は大人の言うことを聞けばいい」だとか「何をするにも親の許可が要る」なんていう社会体制に問題があると思います。
でもそんな社会の何を一人の高校生の力で変えられるのでしょうか? 
(全文は、「教育とは―その4 批判家ではなく行動家となることを促す」のコメント欄をお読みください)


★この問いに対して唯一答えられることは、自分の「思いの制限をひらいてください」「思いの制限を取り外してください」ということです。

自分勝手に「これはできない」と思い込んでいる幻想を破壊すること、そんな自分を一度無くしてしまう(ゼロの状態にする)ことです。
その行為自体に、親や先生の許可など要りませんよね。
自分さえそれを許せば、精神的な修養(瞑想や読書)など、今できることは無数にあるはずです。

★また、「行動するということ」は、何もポジティブな方向へと前進させることだけを言っているのではありません。
全く行動しないこと」、「意識して、何もおこなわない」ということも、「行動」のひとつだと考えてみてはどうでしょうか?

まだそのときが来ていないときには、何をやってもうまくいかないし、できません。
その人にまったく準備ができていないうちから、事が成就するということはないのです。
ですから、事がスムーズに進まないときには、まだその時期ではないと、自粛することも大切です。
期が熟せば、おのずから実は生り、その実は大地へと落ちるのです。



今回は、前回紹介した「ヴィジョン」の著者トム・ブラウン・ジュニアが、人生やスピリットに関する偉大な知恵を授かるために、自己が「小さな死」をもって臨んだ「ヴィジョン・クエスト」についてお伝えしましょう。


★ ヴィジョン・クエストとは?
 ★



ヴィジョン・クエストとは、「グレートスピリット(造物主)のヴィジョンを求める儀式」のことを指します。

ヴィジョン・クエストは、一生に一度だけおこなうものなのではなく、人生の一大事に至ったときに何度でもおこなうものだとされています。
苦痛の中で、肉体は浄化され、マインドは破壊されます。
すると、現実世界を越えた超自然の世界、グレートスピリットが示してくれる大自然の声が聞こえ、精神(スピリット)の世界が見えてくるというものです。

ヴィジョン・クエストに始まりはあっても、終わりはありません。

特に人生最初のヴィジョン・クエストは、インディアンたちにとっては、子どもからおとなになるための重要な通過儀礼となっています。
食事を断ち、日頃の快適な生活をあきらめ、理性的な考え方を捨てるための、いわば「自己否定の最終的な方法」と言えるでしょう。

ヴィジョン・クエストとは、苦行生活や孤独でいること以上のもので、「原野を一人でさまよう苦行よりもはるかにパワフル」だとして、グランドファーザーはつぎのように語るのです。

一度その献身を決意して、限られた円の中に入ったら、それが4日でも40日でも、おまえたちは自己に対して、また、造物主に対して、すべてをかけてヴィジョン・クエストをまっとうすることを誓わなければならない。
自己を否定し、すべての快適さや気晴らしを犠牲にすることで、自分がヴィジョン・クエストに値する人間であることを証明するのだ
」と。

そして、トムも語っています。
外的な影響を受けずにスピリチュアルな知恵を授かるためには、ヴィジョン・クエストをおこなう以外に考えられない」と。


★ ヴィジョン・クエストに取り組んだ少年 ★



気が散漫する外側のできごとから孤立することによって、自分の心の中を知ることができるということをグランドファーザーから教えられた幼いトムは、ヴィジョン・クエストがしたくてたまらなくなり、夏の終わりに自らこっそりとおこなおうと、心に決めるのです。

ところが、その心を読まれたかのように、トムは何の前触れもなく、グランドファーザーに「明日、おまえは小さな死を体験する。今夜中にクエストを行う場所を決め、準備をしなさい」と告げられ、恐怖感を覚えます。

トムは人がだれもいない森のやぶの中で、服を脱ぎ、水の入ったボトル以外は何も持たず、横になることもできないほどの小さなスペースで、4日のあいだ、眠気と闘います。
恐怖と不安が募る暗闇のなかで、「今なぜここにいるのか?」を問いつづけながら、毎朝太陽が昇るのを待ったのです。

しかし、高く空に昇った太陽の光は、少年の頭にズキズキとした痛みをもたらし、容赦なく肌を焼き焦がしました。
幼いトムは体力の消耗で身体が震え出し、しだいに正気ではなくなり、自信喪失に襲われ、パニック状態に陥ります。
眠ってはいけないと思いながらも、彼はしばしば眠り、悪夢を見ました。
その場を去るべきたくさんの言い訳と理由を考えながらも、少年は最後の日までがんばろうと決意するのです。

そのあたりのトムの苦悩の描写は、「ヴィジョン・クエストー造物主は私たちそれぞれに違う方法で語りかける」に詳細に書かれています。

そして、これ以上我慢ができなくなり、肉体的に崩壊し、精神的に分別を失い、感情的に死んでしまったと感じる瞬間がやってきます。
トムはとうとう自分自身に負け、降参したのです。

★そのとき、少年に変容が訪れます。
突然彼は知るのです。
自分がだれで、どこに向かっているのか、ほんとうにやりたいことが何なのか……。

トムは気づきます。
恐怖は自分自身が作り出したもので、すべての出来事も自分が選んだ結果なのだということを。
自分の道は、たくさんある選択の中から自分が選ぶものなのだということを。
空っぽで行き止まりの世俗的な社会ではなく、自分は自然と自然の法則に近いスピリチュアルな人生を歩んでいきたいのだと。

ほかのみんなが選ぶ快適さや安全や退屈ではなく、至上の歓喜に満ちた人生を選びたい…。
トムはそうつよく思ったのです。
そして、おとなたちの批判や他人のために「するべきこと」に、まっこうから反抗していこう、少なくとも反抗することをあきらめずに死のうと思ったのです。 


★彼はその章の最後にこう綴っています。

4日目の朝、太陽が昇ると、私はやぶの中から出て、
振り返ることなく歩き出した。
その墓場で私の一部、恐怖に怯え、
心ではなく外部の「するべきこと」に従っていた私が死んだのだった。




ヴィジョン・クエストは自己を知るだけのものではない。
真の自己に到達するということは、
魂がスピリットの世界を理解し、
コミュニケーションを
はかることができるようになるということである。
そうして、創造の世界の声や造物主の知恵を
知ることができるようになるのだ。
そこで初めて、造物主からの使命であり、
人生の遠大な目的である
ヴィジョンというものが与えられる。 
              「ヴィジョン」より




★ ヴィジョン・クエストのススメ ★



★ヴィジョン・クエストには、何もありません。
グランドファーザー曰く、
すべては単調なので、マインドは弱まり、やがて眠りに落ちるだけなのです。
しかし、これが重要かつ必要なのです。

グランドファーザーはつぎのようにつづけます。

すると、心によって導かれた本当の自己が現われる。
論理的なマインドが眠り、
あれをしろ、それはやめろとやかましく急き立てる声が消えて初めて、
自分の現実は純粋なものになるのだ。



★もし、あなたが「何かしなきゃ!」と急き立てられ、常に心が落ち着かずに、あちらこちらに揺れ動いているのなら、
そして、それでいながら、実際に何をしたらよいのか、さっぱりわからないと思っているのなら、
ぜひヴィジョン・クエストをおこなうことをお勧めします。


ハート
そんなこと、どうやってやればいいの?
近くに森もないし、指導者もいないし…。
ほんとうに死ぬかもしれないじゃないの。
そんな危なっかしいこと、できるもんじゃない。

と、またまた考え始めているあなた、
まず「思いの制限」を取り払いましょう。
そして、そのやかましい猿(マインド)を、
あなたの心の中から追い出しましょう。

やろうと思えば、どこでだってできます。
たとえ都会の真ん中であっても、小さなマンションの一室でも、
同じような状況を創り出すことはできます。
4日のあいだ断食してみることは可能ですね。
「ヴィジョン・クエスト」は、
マインドでがんじがらめになったあなたを開放し、
ほんとうにやりたいことを教えてくれるでしょう。





最新記事