教育とは―その4 批判家ではなく、行動家となることを促す

2011年01月20日 19:45



わたしが住んでいる地方では、今年に入って毎日のように雪が降り、道路事情が悪いために外に出られない日々がつづいています。
全国的に見ても、世界的に見ても、雪の多い地域の方々は、ほんとうに大変だろうなと、身をもって感じている今日この頃です。


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外出ができないこともあって、読書する時間が増えました。
人の声が聞こえてこないという、いつにない静かな日々のなかで、読書三昧ができるというのは、幸いなことかもしれません。
そのなかで、久しぶりに感動を覚えた作品があったので、そのうちのひとつをご紹介したいと思います。


世界は飢餓や憎しみ合いや偏見や
戦争やテロ行為や自然破壊の
最後の脅威に支配されている。

だからこそ、手遅れになる前に、
私たちに残されたものを守るために、
すべての人々に共通するヴィジョンを
探していかなければならない。

役に立たない方法にはもう飽き飽きしているのだ。

私たちは富や快楽や名声など、
人間的な欲望を満たす偽りの神を
追い求める虚しさを見てきたし、
未来の子どもたちが無味乾燥な破壊を嘆いて
泣いている声も聞こえている。

ほかのすべてを試して失敗してきたのだから、
スピリチュアルな道こそ
最後に残された答えなのだ。



これは、トム・ブラウン・ジュニア著の「ヴィジョン」の冒頭の部分に載せられていることばです。

著者のトムは、7歳のときに、彼がのちに「グランドファーザー」と呼ぶアパッチ族の古老スト―キング・ウルフと出会います。
そして、10年間、サバイバルやトラッキングやアウェアネスの技術を学んだのです。

「ヴィジョン」には、彼が子どもの頃に「グランドファーザー」から学んだ教えの数々が、珠玉のように綴られています。
読まれた人も、再度思い出してみてくださいね。


★ 怒る前に、必ずほかにできることがある ★



★トムはつぎのように語ります。

何かに腹を立てたり、物事をネガティブに捉えたりしていると、グランドファーザーはいつでも、「どうして、おまえはそのような気持ちでいる方を選んだのだ?」とたずねた。

その度に、私は自分の内面を省みた。
すると、物事の見方が変わり、自分の考え方や態度を変化させることができた。
このように、「自分の現実を創り出す」という最初の訓練は、いかに柔軟な頭を持ち、必要に応じて考え方を改めることができるかということだった。
自然界においては、この柔軟性と変化が種の絶滅を防いでいる。

私は何かネガティブな状態に陥ると、どうしてそう感じるのか、自分自身に問いかけるようになった。
すると、そのような気持ちを自分の意志で変えることができるようになり、マインドと感情をコントロールすることができるようになったのだ。
 



★あるとき、トムは二人の男がピックアップ・トラックから砂の道沿いにゴミを捨てているのを見ます。
涙がこみ上げ、その男たちを殴ってやりたい衝動に駆られますが、グランドファーザーのあることばを聞いて、考え込むのです。
怒りをなくして、物事を違う角度から見たり、理解したりするにはどうしたらよいのか?」と。
そこで彼はグランドファーザーが何度も言っていた「怒る前に、必ずほかにできることがある」ということばを理解します。

トムは男たちに近づいて、こう言ったのです。
「ここはぼくの大好きな場所だから、どうかゴミを捨てないでください」
「ガソリン代を払いますから、無料のゴミ捨て場までゴミを持っていってください。必要なら、ぼくもいっしょに行って手伝います」
そう言って、ポケットにあった25セント玉を差し出したのです。

さて、その男たちはどうしたと思いますか?

彼らは少年のことばやその真剣さに驚き、ショックを受けていたというのです。
男たちはすまなかったと何度も言い、ゴミを集めて数キロ先のゴミ捨て場まで持っていくことを約束してくれただけでなく、自分たちが捨てたのではない別に投棄されたゴミまで、トラックに積んで行ったというのです。

トムをずっと観察していたグランドファーザーは、こう言っています。
「怒りはこの問題を解決しなかったであろう。同情し、教えてやることが唯一の答えなのだ。もし、おまえが心に怒りを感じたままだったら、男たちは何も学ぶことはなかった。しかし、違う方法を模索し、どうすればよいか自分自身で考えついたのだ……」

トムにとって、グランドファーザーは、「自分にとっての現実を創り出しなさい」と教えてくれた人でした。
自分の目の前に起きてくるものごとや状況、かかわってくる人たちをどう受け止めるかは、自分自身の心構えによって決まります。どのような心構えをもって、自分たちの現実を創り出せばよいのかを、彼は学んでいったのです。


★ 批判家と行動家 ★



世界には、批判家と行動家という二つのタイプの人間しかいない
と、グランドファーザーは言っています。

批判家は座ったまますべてを批判し、何かを変えようとするわけでもなく、生きるのにも無気力な人たちだ」というのです。

批判家たちは何もしないでいて、実際に行動を起こしている人を批判するのです。

行動家こそ、変化をもたらす人たちです。
ほんとうの意味での行動家は、ほんの一握り」だと、グランドファーザーは言います。



わたしはグランドファーザーに深く共鳴し、トムに深い共感を覚えました。
批判家は、左脳だけを働かせている非創造的な人たちですが、
行動家は、常に右脳が働いている独創的な人たちです。
そこには詩があり、音楽があります。
あらゆるものから気づきを得て、何かを創造しつづけるのです。

学校は、主に脳の左側を活性化させているところです。
右脳を閉ざし、左脳だけを支援するような教育は、緊急に破壊すべきなのですが。

真の教育とは、子どもたちを「批判家」にするのではなく、「行動家」にさせることではないでしょうか。


今、あなたは左脳派ですか? 右脳派ですか?

批判家でしょうか? それとも…。
変化をもたらす一握りの行動家でしょうか?






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