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自分の死に気づいていないゴーストのお話

2010年08月28日 10:00


★ 自分の死に気づいていないゴーストのお話 ★



昨日は映画「ゴースト ニューヨークの幻」を通して「自分の死に気づいているゴースト」をご紹介しました。
今日は「自分の死に気づいていないゴースト」についてお話ししたいと思います。

シックス・センス」というホラー映画がありましたね。1999年のアメリカの作品です。

「この映画にはある秘密があります。まだ映画を見ていない人には、決して話さないでください」というブルース・ウィリスの前置きがあって、「まだ見ていない人にはどうかな?」と思うのですが、もう10年以上経っているので、この際種明かしをさせてもらいたいと思います。

自分の死に気づいていない小児精神科医マルコムが、死者を見ることができる少年コールとの交流によって、最後は自分の死の真実を知るというストーリーです。 



★ 映画「シックス・センス」に登場したゴースト ★ 



実際に死んでも「意識がある」し、〈肉体=食物鞘〉とそっくりな〈生気鞘〉というエネルギー体が存在しているので、マルコム本人は死んだという感覚がありません。
ところが、自分がここにいるのに、なぜか妻は自分を見てくれないし、全く気づいてくれません。それどころか、別の男と仲良くしている始末。それを見て、彼はひどく腹を立てます。

他人には決して言えない秘密をもっていて、悩んでいる少年コールは、すでに霊となった小児精神科医マルコムと親しくなり、やがて自分の秘密を打ち明けます。
「ぼくの秘密を聞いてくれる? 死んだ人が見えるんだ」
マルコムは最初この少年を幻覚症状のある精神病扱いにしてしまいます。


世間には、自分には見えないものが見えたり、感じないものが感じたりするという人に対して、「おかしい」とか、「精神病院へ行ったらどう?」といった暴言を吐く思い込みの激しい輩がいることは確かです。
不可視の存在に対して感知能力がない自分を正常だと思って判断しているのですから、世の中のあらゆることがまちがって捉えられてしまっているのも無理はありません。
マルコムも、ここでは無知ゆえの判断をしてしまいます。



少年はマルコムに死霊たちのことを語ります。
「あの人たちは死んだとは思っていない」
「よく出てくるかい?」とマルコムが訊くと、
「しょっちゅうだ」「どこにでもいる」「あれがいると寒気がする」
と少年は答えるのです。


少年には至るところに死霊が見えるのですが、マルコムにはまったく見えません。
自分が死んでいるのなら、同じ死者の霊が見えるのではないかと思われるでしょうが、そうではないのです。
マルコムが生前「死んだらどうなるか」ということや「死後の世界」をまるで知らなかった人だということが、これでわかりますね。
つまり、自分の思いが現実を創っているために、死んだのちも、彼には死者の存在が見えず、自分の見たいものだけが見えている状態だということです。
彼は少年がいつも自分と普通に話してくれているために、周囲に対して全然違和感をもっていなかったのです。
しかし、ある日、彼は眠っている妻のつぶやきを聞きます。



「マルコム、なぜわたしを置き去りに……」
「ぼくはここにいる」
マルコムがそう言ったとき、妻の近くから指輪が転げ落ちます。
妻の指には指輪がはめられていました。
彼は自分の指を見て驚きます。
その指に結婚指輪がはめられていなかったからです。
床に落ちたのは、マルコム自身の結婚指輪だったのです。

驚愕のなかでマルコムはすべてを理解します。
死の直前を思い出し、ようやく「自分の死」を悟ったのです。


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この「シックス・センス」は「自分の死に気づいていないゴースト」をうまく表現した作品であると思います。

種は明かしましたが、「自分の死に気づいていないゴースト」に視点を合わせて見ると、また面白い発見があると思いますので、ぜひご覧いただきたいと思います。

ふたつの映画に登場する「ゴースト」についてお話ししましたが、あなたはどのような感想をお持ちになったでしょうか? 
次回は「偉大なるゴースト」をご紹介しましょう。





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